ノドに鶏の骨を詰まらせた思い出…。

自分は焼き魚などを食べるのが遅い方だと思う。

理由は骨を丹念に避けながら食べるから。

小さな骨でさえも口に入れてなるものかと慎重に慎重を重ねながら少しずつ食べていく。

なぜこんなにも骨を避けるのか―。

おそらく30年も前の出来事に行きつくと思う。

多分、小学生の低学年の頃だと思うが、母親がケンタッキーのフライドチキンを買ってきた。

肉がフワフワでとってもジューシーで驚くほど美味しかった記憶があるのだが、それ以上に驚いたのが骨まで噛み砕けたことだ。

「おお!ケンタッキーは骨まで食べることが出来るのか!」

もちろん、当時のケンタッキーも今のケンタッキーも骨まで食べられるわけはないのだけれど、なぜかそんな風に思い込み、骨まで一緒に食べ進めていた。

するとノドに異変が…。

砕けた骨がノドに突き刺さって痛みを感じる。

それ程の痛みではないものの、飲み込むたびにチクッとくる。

それを無視するように食べ続けていたものの、その痛みが繰り返されたことと、骨が刺さったという恐怖もあってか、なぜだか気持ち悪くなってきて吐き気まで感じるようになる。

小さな頃なんて“もらいゲロ”をする程、よく吐いていた時代。
一度気持ち悪さを覚えると逆流までさほど時間もかからない。

母親の一言とは…。

これまたなぜだかお風呂場に直行し、食べていたフライドチキンを中心に一気に噴射。

お風呂場はチキンのもんじゃ状態。

吐く苦しさと、

「このまま骨が取れなかったらどうしよう…」

という怖さで泣きべそ状態。

そこへ母親がやってきて、吐き続ける自分の背後から声を掛ける。

もったいないことしないの!

刺さった骨は逆流したチキンと一緒に流れていったものの、自分が魚の骨にやたら敏感なのは、いまだにこの言葉が心のどこかに刺さったままになっているからに違いない…。

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